トップバランスのバットはホームランバッター向けと言われるように、打球の飛距離が伸びる特徴があります。このようなことを聞けば、当然お子さんにホームランや長打を打って活躍してほしいと願うのが親ですよね!
ただ、重たくて扱いづらいといったデメリットもあるため、ミドルバランスのバットの方が良いと言われることもよくあります。もしかしたら、野球経験のない親御さんの場合には、そもそもよく理解できない話かもしれません。
そこで、トップバランスのバットを選ぶ時のコツを簡潔にお伝えすると、実際にお子さんがバットを振ってみて力強く振り抜けるかを確認することです。
ここでは、その理由をトップバランスのバットのメリットやデメリットをお伝えしながら詳しくご紹介していきます。
「自分の子供にトップバランスのバットを選んでもいいのか?」
このような疑問を感じている方は、その答えが見つかるようになっていますので、ぜひ最後までご覧いただき、お子さんに最適なバットを用意してあげましょう!
トップバランスの少年野球用バットのメリット
①ヘッドスピード(スイングスピード)が速くなる
1つ目のメリットは、ヘッドスピード、つまりバットスイングが速くなることです。その理由は遠心力にあります。
トップバランスとはバットの先端部分に重さの中心がある種類のことをいいますが、その他には、バットの芯の付近(バットの中心付近)が重たくなっているミドルバランス、バットの根元付近が重たいカウンターバランスがあります。
この3つを比較すると、バットを振った時に最も遠心力が発生するのがトップバランスになります。
ゴルフの経験がある方ならよくわかると思いますが、先端が重たいドライバーはアイアンと比べても遠心力が発生し、その力を利用した速いスイングができると思います。これはバットも同じで、先端が重たくなっているトップバランスはヘッドスピード(スイングスピード)が速くなるのです。
②バットの遠心力で打球の飛距離が伸びる
そして、ヘッドスピード(バットスピード)が速くなると、打球が遠くに飛ぶようになります。つまり、飛距離が伸びることにつながるのです。
こうしたことから、トップバランスは長距離バッター(ホームランバッター)に好まれています。特に、下の写真のようなMIZUNOのギガキングやZETT(ゼット)のブラックキャノンなどは、最近人気が高まっているモデルになります。
③筋力がなくてもボールに負けない強い打球が打てる
また、少年野球に関して言えば、筋力のないお子さんでもピッチャーのボールに負けない強い打球が打てるメリットもあります。こちらもバットの遠心力を活かすことによって、その効果が生まれます。
トップバランスの少年野球用バットのデメリット
ここではトップバランスのデメリットについても詳しく確認しておきましょう。
①バットが重くて振り抜けない
トップバランスは先端が重たく遠心力が効く特徴があるため、飛距離が伸びる効果があります。しかし一方で、遠心力によってバットが重くなり、力強く振り抜けないというデメリットもあります。
例えば、お子さんに筋力がないと遠心力に負けてしまい、波打ったようなスイングになってしまうことがあります。これでは、そもそもバットにボールが当たらなくなってしまうかもしれません。
そんな場合には、トップバランスではなくミドルバランスやカウンターウエイトと言われるようなバットにした方が振りやすくなります。
②バットの操作(バットコントロール)が難しい
さらに、バットコントロール、つまり、バットをボールに当てる操作が難しくなります。これも、遠心力が働いて重たく感じることが原因です。
一方で、ミドルバランスやカウンターバランスのバットは遠心力が小さくなるため、バットコントロールがしやすくなり、バットをボールに当てやすくなるため、ヒットが打ちやすくなります。
つまり、トップバランスにすれば誰でも飛距離が伸びてホームランが打てるようになるのではなく、お子さんの体格や筋力、能力に合わせたバットを選んであげることが大切になるというわけです!
それでは、具体的にどのようなお子さんであればトップバランスのバットを選んでも大丈夫なのでしょうか?その詳細を確認していきましょう!
少年野球用のトップバランスバットの選び方!
コツは実際にお子さんがバットを振ってみること!
ここまでお伝えしたことをまとめると、トップバランスのバットの特徴は次のようになります。
- 遠心力でヘッドスピード(スイングスピード)が速くなり
- 打球の飛距離が伸びやすい
- 遠心力に負けて力強く振り抜けない
- バットコントロールが難しくてボールに当たらない
その判断は、実際にお子さんがバットを振ってみるしかありません。少年野球チームや友達にトップバランスのバットを借りたり、素振りができるスポーツ用品店で実際に確認してみましょう。
スイングが波打つことなく力強く振り抜けるようであれば、トップバランスのバットを購入してもいいでしょう。また、トップバランスの中でもバットの重さや長さには違いがありますので、数種類のバットを振ってみるようにしてくださいね!
トップバランスはこんなお子さんにおすすめ!
飛距離を出したい(ホームランを打ちたい)
トップバランスの一番の特徴は、打球の飛距離が伸びることです。そのため、ホームランを打ちたい、もっと長打(2塁打、3塁打)が打ちたいというお子さんにはおすすめです。特に、今までミドルバランスを使っていてしっかり強い打球やヒットが打てるお子さんの場合には、飛距離を伸ばすチャンスでしょう。
成長して体格が良くなり筋力も付いた
今まではミドルバランスの軽いバットを使っていたけど、体も成長して筋力もついてきたというお子さんはトップバランスに変えてみるのもいいでしょう。
ただ、ミドルバランスでもまだまだヒットが打てないとか、しっかりスイングできないという場合には、もう少しミドルバランスで練習してみることをおすすめします。まずは、スイングスピードを上げたり、バットコントロールを身につけましょう。
ヘッドスピード(スイングスピード)を速くしたい
トップバランスの遠心力を活かすと、ヘッドスピード(スイングスピード)を速くすることにも繋がりますので、練習用として使用するのもおすすめです。素振りやティーバッティング、トスバッティングで使ってみてもいいでしょう。試合や実戦練習ではミドルバランスを使うなどと使い分けることもできます。トップバランスの操作が上手になってきたら、実戦でも切り替えてみてはいかがでしょうか。
トップバランス=ホームランバッター=能力が優れている?
もしかしたら、トップバランスのバットがしっかり振れないお子さんもいらっしゃると思います。でも、決してがっかりしないでくださいね!トップバランスが扱える子だけが能力が優れているとか、ヒットやホームランが量産できる訳ではありません。
なぜなら、甲子園にでる選手やプロ野球選手でもミドルバランスのバットで強い打球やホームランを打っているからです。バットの選び方については、「少年野球用バットの選び方が簡単にわかる5つのポイントとは?」こちらでも詳しくお伝えしていますので、ぜひお子さんに最適なバットを選んであげてくださいね。
バットの重さ・長さの選び方
以下にご紹介するおすすめのバットには、それぞれ重さや長さが数種類用意されていますので、お子さんの体格にあったものを選んでくださいね。そのコツについては、「少年野球用バットの選び方が簡単にわかる5つのポイントとは?」こちらで確認してください。
おすすめの少年野球用トッップバランスバット12選
価格で選ぶなら金属バット
ゼット(ZETT) 「スイングマックス」
SSK(エスエスケイ)「ラインドライブ」
コスパに優れたFRP製・カーボン製バット
アシックス(asics)「ビッグフライング」
ゼット(ZETT)「ブラックキャノン」
ゼット(ZEET)「バトルツイン」
飛距離で選ぶなら複合(コンポジット)バット
ミズノ(MIZUNO) 「ビヨンドマックス ギガキング」
ミズノ(MIZUNO) 「ビヨンドマックス オーバルVA」
ミズノ(MIZUNO) 「ビヨンドマックス EVⅡ」
ミズノ(MIZUNO) 「ディープインパクト」
ルイスビルスラッガー「カタリストII TI」
SSK「MM18」
美津和タイガー「iota」
トップバランスの少年野球用バットにまつわるQ&A
Q.初心者はトップバランスよりもミドルバランスの方がいいですか?
一般的にはミドルバランスが勧められます。
今回お伝えしてきたように、トップバランスのバットは重たく感じたりバットコントロールが難しいというデメリットがあります。そのため、初心者の方や筋力のないお子さんの場合には扱いやすいミドルバランスが勧められることが多くなります。
ただ、初心者のお子さんでも力強く素振りができるようでしたら、トップバランスを選ぶことでヘッドスピードの効いた鋭いスイングを身につけることもできます。それぞれのバットをお子さんが実際に振ってみて、振りやすいと感じるバットを選んであげてくださいね。
Q.小学校低学年でもトップバランスを選んでも大丈夫ですか?
大丈夫です。軽量設計のトップバランスのバットもあります。
今回お伝えしてきたトップバランスのバットの特徴と選び方に注意していただきながら、お子さんにぴったりのバットを選んであげてください。
Q.トップバランスにすればホームランが打てますか?
お子さんのヘッドスピードの速さが重要です。
トップバランスの遠心力を効かせた速いスイングスピードがホームランに繋がります。これは、スイングスピードが速くなると、打ったボールが飛んでいく速度(打球速度)も速くなり、長打になる確率が高くなることがわかっているからです。
また、最近のメジャーリーグではバレルゾーンと言われる、打球速度と角度によって長打(ホームラン)になりやすい範囲の研究が進んでいます。
ただ、トップバランスのバットはスイングスピードの向上に役立ちますが、それを可能にするだけの技術も必要だということを忘れないようにしましょう。ホームランを打つためにはバットを変えるだけではなく、素振りをしてスイングスピードを速くしたり、実際にボールを打つ練習が大切になってきます。
お子さんが楽しく、そして真剣に野球に取り組めるようにするには、お子さんに最適な道具選びも大切ですので、ぜひ今回の記事を参考にしてくださいね。
Q.トップバランス以外ではホームランは打てませんか?
ミドルバランスでもホームランを打つことができます。
上の質問でもお伝えしましたが、最近の野球データ分析により、ホームランになる条件には次の2つがあるとわかりました。
- 打球の速度
- 打球の角度
このホームランになる条件のことをバレルゾーンと呼び、メジャーリーグでは新常識となっています。
また、フライボール理論と言われるものもあり、ゴロよりもフライの方がヒットや長打になる確率が高いこともわかってきました。
つまり、ホームランを打つためには、
- 打球速度を速くするために、バットスイングを速くすること
- 打球角度が付くように、的確にボールを捉えるバットコントロールがあること
この2つが重要になってきます。つまり、この条件を満たしていればミドルバランスのバットでもホームランは打てるということです。
ただ、一般的には、
- トップバランス…遠心力を活かしてヘッドスピードが速くなりやすい=ホームランバッター向け
- ミドルバランス…バットの重さが中心にあるのでバットコントロールがしやすい=アベレージヒッター向け
このように言われていますので、実際にそれぞれのバットを使って飛距離や打球の速さ、打率などを比較してみるのもいいと思います。お子さんが扱いやすいバットを選んであげるのが上達のコツです!
まとめ
いかがだったでしょうか?トップバランスのバットはホームランバッター向けと言われるように打球の飛距離が伸びやすいバットです。その理由は、遠心力によってヘッドスピード(スイングスピード)が早くなる特徴があるからです。
やはり、野球はホームランが魅力ですので、お子さんにもトップバランスのバットを用意して活躍する姿が早くみたいですよね!
その場合には、実際にお子さんがバットを振ってみて、力強く振り抜けることだけは確認を忘れないようにしてくださいね。バット選びのポイントは、お子さんの体格や筋力、能力に合わせたものを選ぶことです。そのためまずは、少年野球チームや友達のバットを借りて実際に使用してみるのがオススメです!
最近人気の複合バット(コンポジットバット)もトップバランスのものが多いので、この機会に一度挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。