【徹底解説】野球肘・野球肩を防ぐ「投球制限」と「休息」の科学

少年野球の現場で、「投げ込み」や「連投」を美化する文化は、医学的な観点からは極めて危険な行為です。子供の体は「大人のミニチュア」ではなく、未発達な骨や関節(骨端線)を抱えています。本記事では、大切なお子さまを一生モノの怪我から守るために、親が絶対に知っておくべき科学的基準を詳しく解説します。

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目次

1. 怪我の最大の予測因子は「投球量」

最新のスポーツ医学の研究によれば、少年野球におけるオーバーユース(使いすぎ)傷害の最も一貫した予測因子は、「投球の繰り返し回数」と「参加時間の長さ」です。

突発的な事故による怪我とは異なり、野球肘や野球肩は「蓄積されたダメージ」によって起こります。痛みが出てからでは遅すぎる場合があるため、投球数を管理し、ダメージを蓄積させないことが唯一の予防策となります。

2. 【年齢別】守るべき投球制限のガイドライン

米国のナショナル・アスレティック・トレーナーズ協会(NATA)などは、科学的根拠に基づいて以下の具体的な制限を推奨しています。

9歳〜14歳の選手

  • 1日の全力投球:上限 75球
  • 1シーズン:上限 600球
  • 年間:上限 2000球〜3000球

15歳〜18歳の選手

  • 1日の全力投球:上限 90球
  • 登板頻度:週に2試合まで。

また、変化球(カーブなど)についても注意が必要です。関節が未発達な時期に無理な変化球を投げることは、腕への負担を増大させます。投球に痛みが出るようであれば、直ちに中止し医療機関を受診すべきです。

3. 「積極的休息」が成長を促す

「練習を休む=下手になる」という考えは、成長期には当てはまりません。適切な休息こそが、壊れた組織を修復し、パフォーマンスを高める鍵となります。

  • 週の休息: 競技特異的な練習や試合から完全に離れる日を、週に1〜2日必ず設けてください。
  • 連投後の休息: 登板した際の球数に応じて、必要な休息期間を設けるべきです。例えば、一定数以上の投球をした後は、翌日から数日間の「完全休養」が必要です。
  • オフシーズン: 年間で合計 2〜3ヶ月間(連続していなくても良い)は、野球の特異的なトレーニングから完全に離れる期間を設けることが、怪我や燃え尽き(バーンアウト)の防止に強く推奨されています。

4. 見逃してはいけない「疲労」のサイン

子供が「痛い」と言い出す前に、大人が腕の疲労を察知しなければなりません。以下のサインは、怪我の前兆である可能性が高いです。

  • 球速や制球力の急激な低下
  • 投球フォームの乱れ
  • 腕に力が入らない、または全力で投げたがらない様子

研究によれば、腕に疲労を感じた状態で投げ続ける子供は、そうでない子供に比べて、肘や肩に深刻な怪我を負うリスクが非常に高まることが示されています。疲労を無視して「根性」で投げさせることは、将来の可能性を奪うことに他なりません。

5. 複数競技・複数ポジションの罠

最近では、少年野球以外にも別のスポーツチームを掛け持ちするケースが増えています。しかし、複数の活動を合わせた合計の練習時間がガイドラインを超えてしまえば、怪我のリスクは跳ね上がります。

大人は「合計で何時間活動し、何球投げているか」を常に把握し、過剰な負荷がかからないよう調整する責任があります。また、投手を務める日は捕手を避けるなど、肩・肘を酷使するポジションの重複にも注意が必要です。

参考文献

  • National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Prevention of Pediatric Overuse Injuries. 2011.
  • American Academy of Pediatrics (AAP). Overuse Injuries, Overtraining, and Burnout in Young Athletes. 2024.
  • Little League Baseball Pitch-Count Regulation.
  • Olsen SJ 2nd, et al. Risk factors for shoulder and elbow injuries in adolescent baseball pitchers. 2006.
  • Lyman S, et al. Longitudinal study of elbow and shoulder pain in youth baseball pitchers. 2001.
  • NSCA Japan. Position Statement on Long-Term Athletic Development. 2016.
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